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 2014年5月11日から5月20日まで三度目の訪台を行い、台北市にある大安森林公園の樹木調査と国際シンポジュウムでの発表を行ってきました。
大安森林公園は、台北の代々木公園みたいな場所です。その公園の樹木の生育が芳しくないということで、日本国の街路樹診断協会に白羽の矢が立ちました。
とりあえずは基本調査ということで、園内の代表地点で5種の樹木について根系調査を含めた調査を行いました。結果はいずれ公表されると思いますが、とにかく暑さと台湾鋏蠓(俗称:小黑蚊)と戦いながらの消耗戦でした。
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公園管理所長(左から3人目の女性)と日本人調査団(右から4人目まで)

 一連の調査を終えた翌週の19日には、国立臺灣大学にて、大安森林公園の樹木保護についての国際シンポジュウムが開催されました。なぜか私も一つの題目を任され発表させて頂きました。力不足なのは自分でも理解しており、参加された皆様には物足りなかったものと反省しております。

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 発表内容。4日間に渡って台湾各地で開催されました。

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会場の台湾大学集思会議中心

 発表の内容はともかく、光栄にも私にまで感謝状を頂きました。関係者の皆様の心遣いに感謝致します。

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 12月18日に毎年恒例の樹木医認定証伝達式が県庁森林政策課にて執り行われました。

今年は、何と6名の方が合格されました。皆様おめでとうございます。

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富山県支部は総勢31名となる見込みで、北陸ではダントツの人数です。

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伝達式後に小杉森林政策課長、西村樹木医(富山県支部顧問)と談笑される皆さん。

 2012年11月10日から12日の3日間、京都府立大学を中心に開催された樹木医学会で
ポスター発表してきました。

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『都道街路樹における診断試行(1)長尺貫入抵抗測定及び多点式応力波測定 
                                                                  ~野上一志・山本正美・永石憲道・大島渡』

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『多点式応力波測定によるCT表現の実証比較~永石憲道・前山瑞穂・野上一志』

12日に京都府立植物園で開催された現地検討会にも参加しました。
京都でのナラ枯れ被害は1991年に丹後半島で最初に確認され、2005年には
京都市市街地周辺でも発生したそうです。

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開発されたペットボトル利用のカシナガ捕獲器『Mトラップ』を説明される小林正秀先生。
うしろは防除のためビニール被覆された樹木。

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トラップで捕獲された数万頭のカシナガ。ほとんど佃煮です。

 10月26日に弘済会館で第四回一般社団法人街路樹診断協会の定時社員総会が開催されました。

物故者黙祷、神庭会長挨拶に引き続き議事が滞りなく進行されました。

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次年度は街路樹診断各種事業に加え、会員サービスの向上と資格者制度の再構築が
重点施策となりました。会員も増え、益々充実した活動が期待されます。

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総会後には飯塚康雄先生(国土総合技術政策総合研究所環境研究部緑化生態研究室)
によります技術研修会が開催されました。

現在、研究されている最先端の倒木危険度診断技術が各種紹介され、参加者は明日からの
業務に活かそうと真剣に聞き入っていました。

 1996年にレジストグラフ研究会として発足した街路樹診断協会ですが、
重点施策の一つがこの『街路樹診断士』です。

樹木調査の中でも特殊性のある街路樹診断を行うスペシャリストとして
街路樹診断協会が認定しています。

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来年度開催予定の第4回認定からは、一般へ拡大される予定です。

受験資格は樹木医認定後3年を経過した者のうち街路樹診断業務の経験者となります。

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実地研修風景

 平成24年3月31日に、庄川清流温泉『やまぶき荘』にて、第17回定時総会が開催されました。
事業報告、決算予算議事に引き続き、役員改選が行われ承認されました。平成24年度からは釣谷支部長を中心に新体制でのスタートとなります。

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総会終了後、盆栽作家の野上寿明氏(株式会社晴香園代表取締役)による技術講演会「盆栽の管理技術と植替え実演」が開催されました。
何十年、何百年と小さい鉢の中で育てる技術は奥深いものがあります。参加した樹木医も、植替えの実演が始まると食い入るように見つめ、次々と質問が飛び交い大変充実した講演会となりました。

 何と4月より週2便、富山空港からも台湾桃園国際空港へ定期運航便が開設されるそうです。
台湾の方には温泉や立山黒部アルペンルート、五箇山の合掌集落が人気があるそうですが、台湾にも魅力的な場所が沢山あります。最後に少しだけ御紹介したいと思います。

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日本統治時代に建設された「阿里山森林鐡路」。度重なる災害や事故で、現在は祝山線のみ運行されていますが、順次復旧予定とのこと。鉄道好きにはたまらない車両。

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阿里山駅から祝山駅までの祝山線は、御来光に合わせて運行されています。

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祝山駅は台湾最高地点にある駅です。

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祝山駅前広場。玉山山系(新高山)からの幻想的な御来光が拝めます。

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阿里山といえば高山烏龍茶。
標高1000~1500mに広がる茶畑には、絶え間なく霧がかかるためおいしさが凝縮されるそうです。

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街道沿いにはお茶屋さんもたくさんあり、日本の茶道とは少し違う茶藝でもてなしてくれます。
阿里山に暮らす子供達は学校の授業で、伝統的な茶藝(入れ方など)を習うそうです。

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台北市内の夜市。大規模な観光夜市もいいですが、大通りからちょっと入った露地でも20ほどの屋台が集まり朝まで営業していました。

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台北バスターミナルに併設されたショッピングセンター内の大規模緑化。写真はごく一部です。

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有名な南門市場交差点角にある潰れそうで潰れない屋上緑化。

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天下分け目の総統選挙は、対中融和姿勢の馬英九氏(国民党)が僅差で勝利しました。
世界で最も親日的な「台湾」と日本の関係がこれまで通り友好に続くことを願ってやみません。
一応(完)・・・続くかも?!

 中華民国100年11月22日、今回の訪問のもう一つの目的である
『樹木の診断治療・健全育成のためのシンポジウム』(台湾名:2011台日樹木医学国際研修会)が
行政院農業委員会林業試験所国際会議場にて開催されました。

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9時から5時30分までの長丁場な国際シンポジウムで、日台双方からからそれぞれ発表されます。

(日本側講演テーマ)
「巨樹・古木の診断治療例紹介」 一般社団法人街路樹診断協会会長 神庭正則
「東京都の街路樹診断の実施内容について」東京都建設局公園緑地部計画課街路樹担当係長 山本正美
「最新・樹体内部の診断機器類について」 国土交通省国土技術総合政策研究所 緑化生態研究室主任研究員 飯塚康雄
「阿里山での保護育成活動について」 一般社団法人街路樹診断協会 有賀一郎
「日本の樹木医制度について」 東京農工大学農学部付属広域都市圏フィールドサイエンス教育センター 渡辺直明

(台湾側講演テーマ)
「台湾樹木健康管理の現況及展望」 林業試験所所長 黄裕星
「台湾植医学歴の現況 」 台湾大学植医センター主任 呉文哲
「台湾非破壊性樹木検測技術及樹木剪定研究」 林業試験所組長 邸志明
「台湾樹木医学センター設置企画」 林業試験所組長 呉孟玲

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日側発表者(左より 飯塚氏、山本氏、神庭氏、中村日本樹木医会会長、渡辺氏)

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台湾からの東日本大震災義援金は200億円を超えたそうです。
飯塚氏は発表の冒頭その謝意を表明されました。

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真剣な表情で発表に聞き入る日本側出席者。専門用語が多いにも関わらず、同時通訳者の方の素晴らしい翻訳でストレスなく理解できます。

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林業試験所の入口にかかっている額。何か重みがあります。

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国際シンポジウムも盛会の内に終了し、今回の訪問に参加した全員で記念撮影。御疲れ様でした。

 

 中華民国100年11月20日、あいにくの天気の中、いよいよ「保護活動」が始まります。
活動内容としては、①サクラ衰弱木の保護活動と②挿し木による増殖活動を現地のボランティアの方と協働して行います。

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まずは嘉義林區管理處長による歓迎の御挨拶があり、その後二班に分かれての活動となります。

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2年前に不定根誘導処置を施した対象木も健在でした。

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湿度が高いせいか、かなりの発根量です。

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一部の根は地面に達しており、今回はこれらの根を更にしっかりと活着させるための処置を行いました。

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地元ボランティアの方に活動内容を説明して、台湾内の数少ない大事な桜の名所の保護について理解を深めて頂きました。

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ボランティアの方にも、実際にエアスコップによる土壌改良作業を行って頂きました。素人とは思えない手際の良さでびっくりしましたが、結構楽しんでやって頂けたようです。

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サクラ保護活動班。有賀リーダーと永石隊長、小田班長。

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挿し木増殖活動は「紅檜」「ソメイヨシノ」「牛樟木」の3種で行いました。特に写真の「牛樟木(ベニクスノキ)Cinnamomum kanehirae Hayata」は、もともと大きなものが少なかった上に、材が好まれたのとベニクスノキタケ(牛樟芝Antrodia camphorata)という最高級の漢方薬原料となるキノコ(霊芝より高級でその粉末は600gが20万元で取引されるとのこと)が取れるらしく盗伐され絶滅の危機に瀕しているとのことです。

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阿里山での保護活動が終わり、今回も色々とお世話になった劉先生には街路樹診断協会の技術顧問になって頂きました。

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また、阿里山活動の下準備や資機材の手配等何から何までお世話になった、台湾愛樹保育協会様には感謝状が贈られました。

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阿里山賓館のフロントに飾られている「阿里山神木」の写真

 阿里山のシンボルだった「神木」はもうありませんが、日本統治時代に日本人によって植えられ始めた「櫻花」と、日本によってひかれた「森林鐵道」が、その後台湾の方々に引き継がれ、現在では阿里山のシンボルとなっていることは大変光栄であり、それらを後世に繋げるために、今回我々が微力ながらお手伝いできたことと、スタッフの皆様のご協力に感謝しております。

12月20日に富山県庁森林政策課で樹木医合格証の伝達式がありました。

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富山県で25人目の樹木医となられた、大村充さん(魚津市:大村造園)おめでとうございます。
(写真右から小杉森林政策課長、大村さん、西村支部長)

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伝達式後に談笑される皆さん。例年にも増して報道陣の方が多くてびっくりしました。