樹勢衰退原因

樹木や花も人間と同じ様に怪我(物理的損傷)をし、病気にもなります。
しかし、植物はその場から逃げたくても人間のように動くことができず、言葉を話す事ができません。
そんな時、植物の SOS をいち早くキャッチしどこが悪くどうして欲しいのか?どうすれば元気になるのか?等、植物の声を聞くことができるのが、私たち樹木医です。 樹木医は植物の周りで表れている事象の本質を見抜き的確に対処することで、お客様の大切な「みどり」を守り育てます。

出典:右図 東邦レオ株式会社 新・緑の仕事p78の図を加筆修正

  • 異常落葉、葉色不良
    異常落葉、葉色不良
  • トレリス・支柱のくい込み、欠損
    トレリス・支柱のくい込み、欠損
  • 害虫
    害虫
  • 根茎切断・露出による欠損良
    根茎切断・露出による欠損
  • 永年性がんしゅ病
    永年性がんしゅ病
  • スエヒロタケ
    スエヒロタケ

樹木のハザード診断
〜事故が起きてからでは遅い〜

残念なことですが、近年、倒木や落枝による事故が後を絶ちません。
街路樹や公園樹の都市樹木をはじめ人や車の往来が予測できる場所の自然木に至るまで、その安全性の確保を行わなかった場合、事故発生時には管理者は管理瑕疵を問われる可能性があります。樹木のハザード診断は樹木医の中でも特殊技能を取得した専門医が樹木からの危険信号をいち早くキャッチし、的確な観察と客観的なデータ解析に基づいた適切な処方をご提示します。

倒木・落枝事故の訴訟事例

  • 管理不十分

    事例.1

    県に

    有罪判決

    県道横の第三者所有の土地の樹木が強風で倒れバイク走行中の被害者が死亡

    職員による日常パトロールでは不十分であることが指摘された

  • 管理不十分

    事例.2

    国および県に

    有罪判決

    渓谷の遊歩道で落枝があり散策に来ていた被害者が下半身麻痺の重症を負った

    自然木であったブナの支枝に瑕疵、危険性の警告もなかった

  • 管理不十分

    事例.3

    県に

    有罪判決

    台風による暴風警報発令中に街路樹が倒れ、被害者の車が損傷し、怪我を負った

    倒木原因となったベッコウタケが事件前から着生、管理不足を指摘

  • 適切な管理

    事例.4

    府に

    無罪判決

    府道走行中に道路脇に生えていた腕の太さほどの樹木が歩行者に倒木してきた

    パトロールや定期的な剪定から管理瑕疵がなかったと判断

街路樹等を原因とする被害で管理者の損害賠償責任が問われる場合の根拠法は「国家賠償法2条」と「民法717条」です。特に事例.3での判断の中では事件後に実施された精密診断で不健全な樹木が伐採されたことから、目視点検等のパトロールは倒木の危険性を見極める上で不備なものであったと指摘されました。多くの事故は示談で処理されることが多いようですが適切な管理を怠ったことで発生した事故により都市に潤いや彩りを与えてくれる街路樹等の不要論に繋がらないとも限りません。「樹木のリスクマネージメント」は街路樹や公園樹等を管理する私たちにとって重要な課題となっています。

樹木のハザード診断の流れ

樹勢回復

樹勢が衰える原因は様々です。枯れても植え替えることができない大切な記念樹や保存樹などの調子が悪くなった時はとにかく早めに対処が必要です。
野上緑化は永年培ったノウハウと技術を駆使し大切な樹木の樹勢回復に最善を尽くします。

技術資料・コラム

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