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続・阿里山櫻花日本樹木医来義診~樹木医放浪記台湾編その7~

樹木医トピックス

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 中華民国100年11月20日、あいにくの天気の中、いよいよ「保護活動」が始まります。
活動内容としては、①サクラ衰弱木の保護活動と②挿し木による増殖活動を現地のボランティアの方と協働して行います。

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まずは嘉義林區管理處長による歓迎の御挨拶があり、その後二班に分かれての活動となります。

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2年前に不定根誘導処置を施した対象木も健在でした。

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湿度が高いせいか、かなりの発根量です。

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一部の根は地面に達しており、今回はこれらの根を更にしっかりと活着させるための処置を行いました。

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地元ボランティアの方に活動内容を説明して、台湾内の数少ない大事な桜の名所の保護について理解を深めて頂きました。

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ボランティアの方にも、実際にエアスコップによる土壌改良作業を行って頂きました。素人とは思えない手際の良さでびっくりしましたが、結構楽しんでやって頂けたようです。

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サクラ保護活動班。有賀リーダーと永石隊長、小田班長。

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挿し木増殖活動は「紅檜」「ソメイヨシノ」「牛樟木」の3種で行いました。特に写真の「牛樟木(ベニクスノキ)Cinnamomum kanehirae Hayata」は、もともと大きなものが少なかった上に、材が好まれたのとベニクスノキタケ(牛樟芝Antrodia camphorata)という最高級の漢方薬原料となるキノコ(霊芝より高級でその粉末は600gが20万元で取引されるとのこと)が取れるらしく盗伐され絶滅の危機に瀕しているとのことです。

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阿里山での保護活動が終わり、今回も色々とお世話になった劉先生には街路樹診断協会の技術顧問になって頂きました。

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また、阿里山活動の下準備や資機材の手配等何から何までお世話になった、台湾愛樹保育協会様には感謝状が贈られました。

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阿里山賓館のフロントに飾られている「阿里山神木」の写真

 阿里山のシンボルだった「神木」はもうありませんが、日本統治時代に日本人によって植えられ始めた「櫻花」と、日本によってひかれた「森林鐵道」が、その後台湾の方々に引き継がれ、現在では阿里山のシンボルとなっていることは大変光栄であり、それらを後世に繋げるために、今回我々が微力ながらお手伝いできたことと、スタッフの皆様のご協力に感謝しております。