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≪速報≫市街地でのナラ枯れ被害が深刻!2010.8.24版

樹木医トピックス

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『ナラ枯れ』は、もう中山間地だけの被害ではありません。富山県内でも、2008年頃より標高の低い里山や市街地での被害が確認されています。

厄介なのは、庭木や公園緑化樹としても多用されている「ウラジロガシ」「シラカシ」「ウバメガシ」「アラカシ」「スダジイ」なども被害を受ける樹種であることです。

【被害を受ける樹種】

コナラ属 (コナラ亜属)

ウバメガシ・クヌギ・アベマキ・カシワ・ミズナラ・コナラ

コナラ属 (アカガシ亜属)

イチイガシ・アカガシ・アラカシ・ウラジロガシ・シラカシ

クリ属 クリ
シイ属 スダジイ・ツブラジイ
マテバシイ属 マテバシイ
【富山県でのナラ枯れ被害について】
 ナラ枯れは比較的高齢で大径の樹木で発生することが多く、特にミズナラ、コナラ等の落葉樹は被害が激甚となりやすいと言われております。また、カシノナガキクイムシが穿孔したからといって必ず枯死に至るとは限りません。常緑樹は比較的耐性があります。
ナラ枯れの歴史は古く1930年代には既に九州の南部で確認されております。1980年代までは本州でも散発的に被害が報告されておりますが、1980年代末以降は、主に本州の日本海側を中心に東北まで広域に被害の拡大が継続するようになりました。富山県では2002年に西村樹木医(日本樹木医会富山県支部長)らによって、南砺市(旧福光町:IOXアローザスキー場付近)のミズナラ、コナラの被害で初めて確認されました

外部リンク⇒林野庁ウェブサイト(発生メカニズムと予防対処方法など)

↓これまでに富山県樹木医会所属樹木医が確認した被害場所(赤点)※2010年8月24日現在

  20100824.jpg

確認年月

樹種

場所

確認樹木医

2008年 コナラ、ミズナラ 施設(富山市婦中町上轡田) 西村
2009年7月 シラカシ 神社(富山市山王町) 西村、野上
2009年 コナラ 某邸(富山市舟橋北町) 西村
2009年7月 シラカシ 神社(富山市鹿島町) 野上
2009年7月 シラカシ 会社(富山市牛島町) 山本
2010年7月 ウラジロガシ 神社(富山市) 西村、松島
2010年7月

シラカシ、ウバメガシ

マテバシイ

施設(富山市月岡町) 松島
2010年7月 スダジイ 神社(富山市山王町) 野上
2010年7月 コナラ 公園(富山市塚原) 野上
2010年8月 シラカシ 公園(富山市経田) 野上
2010年8月 コナラ、マテバシイ 工場(富山市海岸通) 野上
2010年8月 シラカシ、ウラジロガシ 神社(富山市月岡町) 松島、野上
2010年8月 コナラ 施設(富山市蜷川) 野上
※枯死(ほぼ枯死含む)したもののみ。

富山県内では中心市街地や海岸沿いまで被害が確認されており、ほぼ蔓延したと考えられます。特に大径木はカシノナガキクイムシの穿入を受けやすいので注意して下さい。太くない木でも注意が必要で、直径10㎝位までの枝にも穿入します。
御自宅の庭木はもちろん、地域の神社や寺院内にある樹木の根元にフラス(木屑)が落ちていないかの御確認をお勧め致します。

予防手段はいくつかあります。御心配な方は、一度お近くの樹木医もしくは造園業者に相談してみてください。10月頃までカシノナガキクイムシは飛来し穿入します。